公開買付規制
ロイターの記事 焦点:KDDIのJCOM出資手法は適法か、TOB解釈で専門家も二分から。
KDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)のジュピターテレコム(JCOM)(4817.Q: 株価, ニュース, レポート)への資本参加をめぐり、法律の解釈で専門家の意見が割れている。
結果として、KDDIが有報提出会社であるジュピターテレコムの株式の3分の1超を取得する訳ですから、実質的には公開買付をしなければいけないケースであることは異論がないと思います。特に、その後にKDDIがジュピターテレコム株式を直接保有するストラクチャーに再編する案でもあった場合には、「気持ち悪いな~」という思いもひとしおでありましょう。
金融商品取引法(旧証券取引法)がどちらかというと形式的な要件を重視する規定振りである(インサイダー取引のバスケット条項は例外...かな?)ことは、ライブドアによるニッポン放送株式取得や村上ファンドによる阪神電鉄株式取得が法令違反とされなかったことからも、きっと「定説」なんだと思います。その意味では今回もきっと「セーフ」なんでしょう。
JALの会長になる方が設立に関わった会社であることが「セーフ」の理由だとすると問題ですが。
しかし、そこは天下のKDDIです。そんなことはしないで、正々堂々と株式の公開買付をすれば良いと思うのですが、きっと売却側にも都合があって(譲渡益に対して日本で源泉課税される可能性があるとか云々)、止むを得ず相対で米国LLC出資持分の購入とあいなったかと思います。それでも公開買付して一般株主にexitの機会を与えるべきだとは思いますけどね。
現在法制審議会への諮問準備中の「公開会社法」にはM&A規制が入っています。そちらだと全部買付規制の対象となる様に、民主党の議員先生方は動かれるんでしょうか。
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