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2009/06/02

夫婦同時死亡時の相続

nikkei.net: 「契約の夫・受取人の妻同時死亡、生命保険は妻側相続人に 最高裁」から。

生命保険の契約者の夫(被保険者)と、受取人である妻が同時に死亡した場合、誰に保険金を受け取る権利があるかが争われた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は2日、妻側の法定相続人のみが受け取る権利があるとの初判断を示し、保険会社側の上告を棄却した。妻側の勝訴が確定した。

決めの問題でしょうから、それはそれで判例を尊重しなければならない訳ですが、死亡時刻1分程度の差で、相続関係に差が出ることになるとすると、なんか複雑な気分ですね。

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コメント

 複数人の死亡では、同時死亡が「推定」され(民法32条の2)、これを覆すには、その中の1人が、他の死亡者の死亡後もなお生存していたことの証明が必要です。ところが現実問題として、死亡時刻1分程度の差の事例(ほぼ即死の事故など)では、証明困難と思われます。
 結局「死亡の先後が不明確な者は同時に死亡したとみて、それらの者の間では相続を生じさせない」と割り切った民法と、それに基づく帰結(妻が受け取る保険金が夫の生命保険のものでも、夫妻が同時死亡なら、妻の受取りの権利を夫やその遺族が相続できない→妻の遺族だけが相続)に納得できるか、なのだと思います。
 それでもやはり複雑な気分ですが。

投稿: 通りすがりに失礼します | 2009/06/03 11:28

通りすがりに失礼します さん、コメントありがとうございます。御指摘の通り本件では民法32条の2に言及しなければいけませんね。

投稿: krp | 2009/06/03 23:26

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