« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月

2009/06/03

書評:企業価値最大化の財務戦略

知人から紹介された本ですが、柳良平「企業価値最大化の財務戦略」読了。

著者略歴によりますと、都市銀行を振り出しに、上場企業のIRおよび財務部長を経て、現在は外資系金融機関でIRアドバイザリーに従事されている方だそうです。ググるとある程度のことは判りますが、勤務されていた大手メーカーさんはIR姿勢の良い会社として有名でありますね。その方が、現在は外資で発行体企業に対してIRアドバイザリーを提供され、かつこのような書籍を上程されている訳ですから、貴重な存在だと思われます。

本書の内容も財務理論が、投資家側ではなく、発行体企業サイドでどのように利用されるべきかということを、実務経験をもとに解説されていますので、貴重な書籍であるといえます。文章のそこかしこに、機関投資家寄りのニュアンスが滲み出ています(投資家の利害とステークホルダーの利害は必ず一致する等)が、現代財務理論的には正当な主張ですし、各方面へのご配慮もある訳でしょうから、ご愛嬌の範囲内でしょう。

突っ込みどころとしては、理論の適用を厳密にすればする程実務が回らなくなるのではないか、という疑問にもう少し答えて頂きたかったかなと思います。つまり、理論的な企業価値は、前提条件を1ついじると大きく変わることがままある訳で、例えば毎月DEBTの調達金利を市場実勢に即して変えて理論的企業価値を計算していたら、昨今のような債券市場においては、その差に右往左往させられるリスクがあるといえます。そこをどのように「割り切って」考えて、実務を行っておられたのかなと思います。

今回は導入編でしょうから、次回作に期待したいと思います。その場合、例えば、大株主との経営権を巡る小競り合いの過程で、会社側提案がまたしても否決されたアデランスが、どのようなIRを行えば、スティール以外の株主の賛同を得られたかの考察等もお願いしたいところです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

人事の妙

asahi.com 「なぜ人を辞めさせるのは難しいか」プーチン首相が執筆から。

指導者としての志を説くプーチン氏は「頻繁な配置換えは良くないと確信している」と持論を展開。人を代えても新任者は慣れるまでに半年はかかる。結果的には前任者と状況はあまり変わらない。仕事の態勢を確立したなら最後まで任せよう――と述べる。

後任候補も探さないで、現任者を重箱の隅をつつくようなあら探しで「認可しない」と連呼しているどこぞの大臣こそ読むべき記事かもしれません。

なお、個人的には自由主義からは程遠いプーチン氏の手法には賛成できません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/06/02

夫婦同時死亡時の相続

nikkei.net: 「契約の夫・受取人の妻同時死亡、生命保険は妻側相続人に 最高裁」から。

生命保険の契約者の夫(被保険者)と、受取人である妻が同時に死亡した場合、誰に保険金を受け取る権利があるかが争われた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は2日、妻側の法定相続人のみが受け取る権利があるとの初判断を示し、保険会社側の上告を棄却した。妻側の勝訴が確定した。

決めの問題でしょうから、それはそれで判例を尊重しなければならない訳ですが、死亡時刻1分程度の差で、相続関係に差が出ることになるとすると、なんか複雑な気分ですね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »