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2009/05/26

大量保有報告と信託

上場オーナー企業の関係者の方から、お子様の名前を出さずに株式を贈与する方法はないか、というご相談を受けることがよくあります。いわく、大量保有報告書の記載事項が詳細過ぎるので、そこにお子様の名前を出したくない、ということなんですね。

大量保有報告書はEDINETで誰でも過去5年間分は見ることができますので、見ていただきたいのですが、共同保有者(*)ということになると、氏名・住所・生年月日・保有株数・保有割合・担保等の重要な契約・取得資金といった項目を記載しなければなりません。株式市場というインフラを利用する上場企業の大株主という存在ではありますが、普通これだけの情報をネットで「晒す」人っていませんよね?

(*)未成年であれば、金商法27条の3第3項第2号に該当しますので、共同保有者として個別開示ではなく、親権者が自己の保有分に加えて「未成年者の親権者として●●株保有」とすれば良いことになります。それでも未成年のお子様がいらっしゃることとその保有株数は判りますので嫌といえば嫌と思われるようです。

成人したお子様は議決権等独自に行使するので共同保有者ではないと主張される方もいらっしゃいます。本当に親から独立しているのであれば宜しいのですが、親ごさんが議決権行使書面をまとめている実態があれば、共同保有者に該当するとせざるを得ません。罰則のある法令ですから、上場企業のオーナー経営者としては意図的に違反する訳にはいきません。

資産管理会社を経由した間接保有を選択される方もいらっしゃいます。会社の代表者・住所を顧問の税理士さんにするところまでやると、株主であったとしてもお子様の存在が表に出ることは通常ありません。帝国データバンクや東京商工リサーチといった調査機関が調べに来ても、言わなければ良いだけのことです。ただし、上場会社からみて資産管理会社が「非上場の親会社等」に該当した場合は、資産管理会社の大株主については有価証券報告書と同等の情報を開示しなければなりませんし、資産管理会社にはデメリットもありますから、注意が必要です。

あとは信託ですね。有価証券管理信託契約を結ぶと、保有者は形式上受託者となります。となると、大量保有報告書提出義務があるのは受託者になりますから、たとえ受益者であったとしてもお子様の名前が出ることは原理上ない訳です(厳密には、議決権行使の方法等の信託契約の内容を詰めないといけないと思いますが、金商法上問題ない信託契約だとすれば)。信託銀行さんが色々と営業していた時期がありましたが、今は余り聞きませんね。信託報酬で折り合わないケースが多かったのでしょうか?

あと、思い付きですけど、現行信託法では家族信託はOKですから、親御さんが受託者となれば、お子様が成年後も大量保有報告書上の保有者になるのは親御さんでよいことになると思いますが、実務上は色々と詰めていかなければなりませんね。

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