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2008/12/22

MBOと利益相反行為

シャルレのMBOは、結局創業家出身の取締役2名が年内に、その他の社外取締役の方々も株主総会で後任が決まり次第退任されることで決着したようですね。

本件については、内部通報制度が機能したことや、設置された第三者委員会の調査報告書が、かなり突っ込んで当事者間のやり取りを再現していることもあり、将来にわたって何度も参照される事例となるかと思います。

MBOに参加する経営陣と売却を強いられる少数株主の間に利益相反が働くのはもちろんでありますし、それを避ける為には、利益相反の渦中にいる経営陣は当然、それを避ける役割が期待される社外取締役も、注意深い行動が求められることに、異論はありません。

今回の社外取締役の方々は、買付者側に対して「もう一声」という交渉は行っています。その過程で、買付者側のアドバイスを受けたり、買付側の価格に近づけるような経営計画の下方修正を容認する等の疑念を生じる行動はありますが、この会社の経営に直接携わっている訳ではない方々としては、止むを得ない部分もあるのではないでしょうか。

経営計画というのは、実現に向けて経営陣以下がコミットできなければならない訳ですから、その策定から経営陣を排除する訳にはいかない筈ですし、前提条件1つダウンサイドに違っただけですべての数字ががらっと変わることだってある筈です。そこのところを裁量を大きく歪めず、かつ少数株主の利益を守るには、関係者はどのように対応するべきなのか、という大きな課題が残った事例という気が致します。

同時に、今後当社を担われる役職員の方々のご健闘を祈念致します。

どうでも良いことの追記

  1. 創業家一族は、MBOを前提として資産管理会社株式をMS側に譲渡する契約を締結されています。発表文によれば、公開買付が不成立になった時点で当該契約は解消されるとのことですが、税務上も株式譲渡がなかったということで大丈夫なんですかね。
  2. 内部通報制度をまともに発動したことはコンプライアンス部門のヒットだった訳ですが、第三者委員会の調査報告を見ると、創業家の代表執行役の方が何度か担当執行役の方のアドバイスを無視しておられることが伏線だったりすると考えるのは不謹慎ですね、そうですね。
  3. 今回の事例で買付側のリーガルアドバイザーであった森・濱田松本法律事務所さんは、この経緯をどのように考えいらっしゃるのでしょうか。

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