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2008/07/16

事業承継の決意

16日付日経新聞「オーナー経営者引退、「親族外継承」広がる」から。

中小企業に親族外への事業承継が広がっている。戦後から高度成長期に起業したオーナー経営者が引退の時期を迎えているが、少子化や厳しい経営環境で親族の後継ぎが少なくなっているのが背景だ。中小の合併・買収(M&A)を仲介する業者も増え会社譲渡への抵抗感も薄れている。廃業が増える一方で、中小経営が「家業」から脱皮する時期にきているともいえそうだ。

しばらく前のNHKの朝ドラ「ファイト」で、緒方直人さん演じる主人公の父親は、2代目として従業員10名未満の精密ねじ加工会社を経営しておられました。トラブルで営業を休止する羽目になりましたが、酒井のりピー演じる妻が旅館の住み込みの仲居さんとして働く等して、廃業までには至らず、義母の廃業の勧めにもめげず、色々な経緯を経て、事業を再開(元従業員も再雇用!)されていました。ここまでの覚悟と思い入れがないと、事業は承継できないというシナリオがどうやって可能になったかは存じませんが、要点をついていると思います。

そう考えると親族外承継が広がるのは、当然といえば当然です。私が接している起業家の方々のお子様の教育に対する姿勢として、お子様達もしくは配偶者の方の言うがままになっているケースがまま見受けられます。その場合、お子様が事業の承継を希望されるケースは、少ない印象です。思うに、父子の会話が少ない為、自分の事業への思い入れや経営理念を創業者の方がお子様方に語っておられず、お子様方が事業承継の準備をする機会がなかったのではないでしょうか。子供は、小さい頃から親の事業に直接・間接的に関与し、親の経営哲学に触れ続けているからこそ、それ引き継ぐ後継者としての覚悟ができるのではないでしょうか。

親族外に承継するケースとして、従業員への承継が記事にもあるようですが、通常従業員は資金的にしんどいですから、株の承継という問題が生じます。事業承継法と税制は、親族間の承継しか手当てしていませんから、先代の養子にでもならない限りは対象外です。そうすると、経営に興味のない創業家株主という存在が誕生してしまいます。経営陣と株主の関係は良好であるにこしたことはありませんので、創業者が健在な間にきちんと話し合い、明文化(配当性向とか、取締役にするのかとか)しておくことが、これからの時代は望ましいでしょう。経営者がやりづらくてはいけませんし、かといって経営者が暴走してもいけません。そこらへんはきちんとするべきでしょうね。もちろん、会社の金を使って創業家に株を持たせない選択肢(金庫株、大掛かりな仕掛けが必要な会社の場合はMBO)もありますので、その会社の状況次第で使い分けることになるかと思います。

過去の事業承継は、相続税対策のみでしたが、税対策は成功しても、企業経営がうまくいかなかったケース(某大手スーパーとか)もありますので、真正面から事業承継の問題をとらえる必要があるのだと、最近強く思います。

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