« 相続税課税方式 | トップページ | 事業承継は「相続」か「売買」か »

2008/01/22

少数株主は強し

nikkei.net「CFS、アインの統合否決・イオン、42.8%反対票集める」から。

ドラッグストア大手のCFSコーポレーションが22日、静岡県沼津市で開いた臨時株主総会で、調剤薬局大手のアインファーマシーズとの経営統合案が否決された。CFSの筆頭株主で、統合に反対し委任状争奪戦を仕掛けたイオンが議案否決に必要な議決権の3分の1以上の42.8%の反対票を集めた。

42.8%の分母ってなんですかね。総議決権数なのか、出席した株主の総議決権数なのか。多分、後者だと思いますが、主要株主が反対に回った場合の(1月23日minoriさんのコメントを受けて追記)特別決議のバーの高さを改めて感じますね。

(1月23日追記)日経新聞の報道では、当日行使された議決権は、総議決権数の約91%だそうで、これは高い方ですので、以下の記述も一部変更します。

とはいえ、逆にイオンが経営陣の首を挿げ替えるだけの議決権(過半数)を確保できなかったことも証明された訳です。統合比率が不利とのイオンの主張には賛成するが、イオンとの提携強化にも賛成したくない株主は、議決権を行使しなかったのではないかと推定されますので、イオンがここまで巧妙かつ積極的にやっても過半数の反対票を得られなかった訳ですから、イオンとの業務提携の強化という目はないと思います。CFSの株価が下がれば、追加取得して経営陣を追い出すこともできる目はあるでしょうが、それはまた別の話でしょう。イオンとしては、陣営の引き締めはできる訳ですから、それで当面は目標達成だと思います。

統合後の新経営陣の主導権を確保する為に統合比率に拘ったのでしょうが、それが完全に裏目に出た事例といえるかと思います。主要株主の追い出しには周到な準備をしましょうという当たり前のことを示しただけに終わりました。

(1月23日追記)本日の日経金融新聞に、自分の保有している議決権を恨めしく思った株主はいただろう、という趣旨のコメントがあります。これは、イオンともCFSとも取引がある金融機関や事業法人株主のことを指すわけですが、取引への影響を考えれば、イオンにつくことは当初から明らかだと思うのですが、そこらへんの認識は関係者(特に、CFSのアドバイザー)にはなかったのでしょうかね。

|

« 相続税課税方式 | トップページ | 事業承継は「相続」か「売買」か »

「Business Law (Japan)」カテゴリの記事

「Financial Management」カテゴリの記事

コメント

 大変ご無沙汰しております。

特別決議の原則は「議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。」ですが、定款を変更すれば「3分の1以上の出席」で、その「3分の2以上」の賛成、に、緩和することができます。(会社法309条)

長く「過半数」の時代を過ごしてきた身としては「特別決議のバー」はじゅうぶんに低いように思えるのですが、CFSさんはバーを超えるための「説明」が不足していたようですね。

投稿: minori | 2008/01/23 00:43

minoriさん、コメントありがとうございます。
CFSの定款を見ますと、ご指摘の規定があります。しかし、出席して反対する方が確実にいて、しかもその中核が15%保有する主要株主となると、特別決議のバーはすごく高いものになると思っています。主要株主への「説明」は本当に大事だと改めて感じました。

投稿: krp | 2008/01/23 09:18

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40094/17784719

この記事へのトラックバック一覧です: 少数株主は強し:

« 相続税課税方式 | トップページ | 事業承継は「相続」か「売買」か »