同族非上場企業の事業承継支援
6月12日付日本経済新聞同族会社株の相続減税・非上場対象、自民が新法制定へから。
自民党は11日、中小企業の後継者が事業を継承しやすくする新法を制定する方針を固めた。非上場の同族会社株を相続する場合の課税価格を抑えて相続税負担を軽減。相続時に後継者以外の妻や子供に最低限保障している財産の取り分(遺留分)を放棄する際の手続きも簡素化する。中小企業の経営安定と地域の活性化を政治主導で進めるため、来年の通常国会に議員立法で法案を提出。2008年度からの実施を目指す。
会社の事業承継というのは、規模の大小を問わず悩ましい問題です。特に、非上場会社の場合は、株式に流動性がないにも係らず、財産評価基本通達により評価された評価額により、相続・贈与時に税金が賦課されてしまいます。非上場会社株式の相続については、会社を閉じなさいと言っているに等しいという実感を持ちます。確かに、非上場企業の経営者を親に持つ人とそうでない人の間で、税負担が異なることに関する違和感を理解できなくはありませんが、一方で「企業経営」というものの厳しさを知る者(私の父親は小さな町工場を経営していましたが、とても真似できないので承継はせず、父は会社を清算しています)としては、せっかく承継意欲を持っている後継者に払い切れない税負担を押し付けて良いのかという思いは厳然と感じます。どこまでの手当てが必要かは政策上の配慮ですが、個人的には80%軽減でも不公平とは思いません。
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