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2007年6月

2007/06/28

すごい総会

ビジネス法務の部屋「これはすごい株主総会かも(^^;;」から。

今朝の新聞では各誌、テン・アローズの解任劇と一緒に伝えているようです。とりわけ日経近畿版ではかなり大きく報道されています。昨夜掲載させていただいた株主の方のブログもそうですし、新聞のインタビュー記事もそうですが、一般株主にとって、修正動議の可決は(事前に招集通知にも何も記載されていないために)「何がなんだかわからない状態」だと思います。とくに、ブログを拝見して思いましたのは、「これから肝心な決議が行われるかもしれない」にもかかわらず、総会の途中で一般株主が退席してしまうような事態というのは、ひとつ間違えますと株主に対する説明義務を尽くしたかどうか・・・といった法的な問題にも発展しかねないかもしれません。テン・アローズ社のように、総会前から報道などによって、一般株主にも動向が判断できるのであればいいとしても、おそらくパトライト社の場合には、本当に解任劇が想定されていなかった可能性がありそうです。そう考えますと、他人事(ひとごと)ながら、議長不信任動議によって急遽議長となられた社外監査役の方は、きわめて難しい立場に立たされたでしょうし、もし法律家が社外監査役に就任した場合には、(独立した公正中立的立場が期待されているわけですから)議事進行の適法性維持や、包括委任状の有効性判断などとともに、会場に出席されている一般株主の方々への説明責任を果たすことにも十分配慮しなければならないと思われます。かなり怖いなぁ・・・というのが実感です。

これは大変な総会でしたね。動議を出す側は準備万端だったようですから、恐らく発言されたのは、創業家の方(元取締役のようですね)ではなく、どこぞの有資格者の方だったのではないでしょうか。当該有資格者の方が個人として株主でなかったとすると、株主総会に入場はできません。パトライトの株主構成をみると創業家の資産管理会社とおぼしき会社が大株主として出ていますので、資産管理会社の関係者として入場されたのでしょうか。

些細なことですが、動議により解任された前社長さんと前常務さんに退職金は払われるのでしょうか。総会の第5号議案が退職金ですが、こちらでカバーされるものなのでしょうか。議案で氏名や人数が限定されているとどうなるんでしょうか。

とにかく、株主総会の最大のテーマである取締役の選任について、当初出席していた株主の多くが退場した状態で決めてしまった訳ですから、山口先生ご指摘の通り一般投資家への説明という観点からは問題があったと思います。前社長を解任した株主と新社長は、早急に経営戦略を策定し、投資家や利害関係者に説明する義務を負った訳です。

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2007/06/18

経営・会計通信2: 全部取得条項

1月の 全部取得条項に関する記事について、訂正です。

会社が全部取得条項を行使した場合、それは自 己株式の取得であります。18年度税制改正により、 対価が同価値の別の種類の株式であれば課税は原則繰 り延べされますが、それ以外の資産(現金とか)を受 け取った株主は、譲渡益とみなし配当所得について納 税義務が生じます。

こう言い切ってしまいましたが、政令を1つ見落としておりました。所得税法施行令61条1項の規定が、やはり平成18年度税制改正で手配済であります。

法第二十五条第一項第四号 (配当等とみなす金額)に規定する政令で定める取得は、次に掲げる事由による取得とする。 (中略) 六 会社法 (平成十七年法律第八十六号)第百九十二条第一項 (単元未満株式の買取りの請求)又は第二百三十四条第四項 (一に満たない端数の処理)(同法第二百三十五条第二項 (一に満たない端数の処理)又は他の法律において準用する場合を含む。)の規定による買取り

つまり、端数処理で現金を交付された個人株主にはみなし配当所得はなかったものとされます。個人株主でみなし配当所得が生じるのは、結局、全部取得条項付株式の発行に関する定款変更について「反対株主の買取請求」を行った株主についてのみのようです。これはこれでレックスホールディングスで存在しますので、実務上は問題であります。

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2007/06/13

同族非上場企業の事業承継支援

6月12日付日本経済新聞同族会社株の相続減税・非上場対象、自民が新法制定へから。

自民党は11日、中小企業の後継者が事業を継承しやすくする新法を制定する方針を固めた。非上場の同族会社株を相続する場合の課税価格を抑えて相続税負担を軽減。相続時に後継者以外の妻や子供に最低限保障している財産の取り分(遺留分)を放棄する際の手続きも簡素化する。中小企業の経営安定と地域の活性化を政治主導で進めるため、来年の通常国会に議員立法で法案を提出。2008年度からの実施を目指す。

会社の事業承継というのは、規模の大小を問わず悩ましい問題です。特に、非上場会社の場合は、株式に流動性がないにも係らず、財産評価基本通達により評価された評価額により、相続・贈与時に税金が賦課されてしまいます。非上場会社株式の相続については、会社を閉じなさいと言っているに等しいという実感を持ちます。確かに、非上場企業の経営者を親に持つ人とそうでない人の間で、税負担が異なることに関する違和感を理解できなくはありませんが、一方で「企業経営」というものの厳しさを知る者(私の父親は小さな町工場を経営していましたが、とても真似できないので承継はせず、父は会社を清算しています)としては、せっかく承継意欲を持っている後継者に払い切れない税負担を押し付けて良いのかという思いは厳然と感じます。どこまでの手当てが必要かは政策上の配慮ですが、個人的には80%軽減でも不公平とは思いません。

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