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2007/01/18

Going Private における minorty squeeze out 手法

上場会社のMBO(上場廃止を伴うので本ポストのタ
イトルにある通り、ゴーイングプライベートとも呼ぶ
ことができます)においては、SPCによる公開買い
付けに応じなかった少数株主の排除を行います。理由
としてはいくつかあるのですが、そこはそれとして、
これまでにその為に広く使われていたのは、産活法を
利用した現金対価の株式交換でした。
ところが、平成18年度税制改正において株式交換に
も適格要件が定められ、平成18年10月1日以降に
おいては、完全親会社株式以外を交付する現金株式交
換は税制非適格株式交換とされました。税制非適格株
式交換となると、株式交換により完全子会社となる会
社の主要な固定資産について、税務上時価評価し、評
価益が生じた場合、法人税の課税所得を増やさなけれ
ばなりません。ゴーイングプライベートの場合、対象
企業の資産に含み益があったり、のれんの認識が必要
な場合には、税金の支払いというキャッシュフローシ
ミュレーション上大きな問題を抱えることになります。
この問題を回避するスキームはいくつか言われており
ましたが、新株式交換税制においてのゴーイングプラ
イベート第1号といわれるキューサイが少数株主排除
(minority squeeze out)の方法を確定させた模様で
す。
同社のプレスリリースによりますと、当初は少数株
主に交付される株式数が1株未満となるような株式交
換が予定されていたようですが、それを断念し、以下
の方法になったとのことです。

1)定款変更により、種類株式を発行可能にする。
2)同じく定款変更により普通株式に全部取得条項を
付与する。
3)全部取得条項を行使して、普通株株主から株式を
取得し、対価として種類株式を交付する。その際に、
少数株主には1株未満しか交付されないようにして、
結果的に金銭を交付する。

これは会社法で新たに可能になった手法で、総株主の
同意なしに強制的に100%減資する仕組みとしてこちらの本
紹介されている手法の変形といえるでしょう。

当初の株式交換案が採用されなかったのは、おそらく
SPCと事業会社の株式交換は税制適格にならない可
能性が高く、その場合の完全子会社であるキューサイ
が負担する法人税額を無視できなかったからでしょう。賢明な判断だったと思います。もちろん、この方法に
もリスクはありまして、プレスリリースにもあります
が、少数株主が反対株主の買取請求権を行使し、買取
価格を裁判所に算定するように申し立てた場合、手続
が面倒になってしまいます。しかし、公開買付に応じ
なかった株主がそのような手続きを踏む可能性は低い
と思います。

私は株式併合でけりが付かないかと思っていましたが、単元未満株主の株主権について制限できないものがあ
りますので、その意味では今後もこの手法が使われる
のでしょう。

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