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2005/09/05

エース証券はどこへいく

1日付日経新聞プリヴェチューリッヒ、エース証券を買収へから。

プリヴェチューリッヒ企業再生グループは31日、SBIホールディングスからエース証券(大阪市)の発行済み株式の30.3%を譲り受けると発表した。金額は49億円。プリヴェは他の株主から株式を譲り受け9月中にも過半数を取得して経営権を握る見通し。SBIは昨年夏にエース証券を買収したばかりだが、傘下のSBI証券に対面営業の経営資源を集中させる方針に転換した。

エース証券ってなんだっけと思いWEBサイトを見ると、「本日の新聞報道について」というお知らせがありました。曰くうちはSBIの子会社ではなくて30.3%しか持たれていない関連会社ですから、みたいな冷たい内容です。

SBIのWEBで過去のリリースをくってみると、確かに2004年8月に公開買付を実施して子会社化しています。その時は議決権の過半数を保有しています。その後のエース証券の資本政策で議決権比率が下がったことになります。

公開買付をされるということは有価証券報告書提出会社だろうと思ってEDINETで探して見ると、8月5日付で有価証券届出署が提出されています。それによると、富士ソフトABC等に31百万株の第3者割当増資をし、その結果SBIの出資比率が30.3%に下がっています。この第3者割当増資に応じた株主の持株比率が約45%という既存株主の議決権の大幅な希薄化を伴う増資です。

これを受けてSBIがしたことが、プリヴェへの持株の譲渡です。ここで注意が必要なのは、エース証券の第3者割当増資の結果SBIの持株比率が3分の1以下に下がっていた為に、プリヴェは相対取引で株式を取得できたことです(証券取引法27条の2第1項4号)。そうでなければプリヴェは公開買付手続が必要でした。話が簡単に済んだ訳です。

この経緯を見るに、やはりSBIは損失を最小限で抑えたなと感じます。エース証券を傘下の証券に合併させて関西の地盤を取り込むという初期の目的は達していませんが、それなりの価格で株式を処分できた訳ですから。一方、エース証券の経営陣と先の第3者割当で新たに同社の主要株主になった3社にとっては、エース証券の経営権取得を目指すプリヴェと場合によっては委任状獲得合戦をしなければならない事態ですから、まだまだ波乱含みで気が抜けません。プリヴェですが、念願の証券会社をグループ入りさせるチャンスですが、発表通り議決権の過半数を取得できるかどうかは、今年8月の第3者割当増資組の議決権の保有比率を考えると微妙に思えます。

非上場会社ですから日々状況が見える訳ではありませんが、注目の会社かもしれません。

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「Business Law (Japan)」カテゴリの記事

コメント

2005年9月5日「エース証券はどこへいく」に興味があります。
平成17年8月5日提出の「有価証券届出書」を読みたいのですが、可能ならご提供願えませんでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

投稿: いとうひろお | 2011/01/20 15:56

2005年9月5日「エース証券はどこへいく」に興味があります。
平成17年8月5日提出の「有価証券届出書」を読みたいのですが、可能ならご提供願えませんでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

投稿: いとうひろお | 2011/01/20 15:58

いとうひろお様
随分と古いポストにご興味を頂きありがとうございます。平成17年8月5日の有報は私の手元に保存していませんので、EDINETにある翌18年の有報が最も古いものとなります。お役に立てずに申し訳ありません。

投稿: krp | 2011/01/20 18:41

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