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2005年9月

2005/09/09

産業再生法は面倒か

9月3日付日経新聞ワールド、MBO成立発表・発行済み株式の95%弱が応募から。

ワールドは2日、経営陣による企業買収(MBO)に伴うTOB(株式公開買い付け)で3389の株主から自社株を除きストックオプション実施を加味した発行済み株式の94.99%(44159907株)の応募があり、成立の条件としていた66.67%を上回ったと発表した。TOB成立を受け、11月に大阪、東京両証券取引所で上場廃止になる。

ワールドの事例が発表されてから、改めて産業再生法関連資料を眺めています。経済産業省のこちらのページには、法律、政令、施行規則をはじめ、過去認定された全計画が掲示されています。ワールドのスキームも結構詳細にわたって判ります。

これを見て思うのは、産業再生法はいちいち面倒だなということです。例えば、ワールドは株式交換の予定日が当初と変更になっただけで変更申請をし、経済産業省は変更の都法令に則っているか審査・認定するというプロセスが必要なようです。

また、ワールドはこれから現金対価の株式交換を行う(少数株主の強制排除をする)訳ですが、施行規則によれば、改めてその可否を申請しなければなりません。つまり申請者であるワールドからみると、当初認定段階では現金対価の株式交換ができるかどうかは判らない仕組みになっています。

これは直接聞いた話ではないのですが、少数株主排除目的の現金対価の株式交換は、公開買い付けで90%以上取得できてないと認定が困難らしいです。事前に90%以上取得できる見込みがあれば良いのでしょうが、そうでない場合は完全子会社化の手法が未定のようなアナウンスになるということなのでしょう。

加えて、認定された計画の実行状況の報告義務もあります。現金対価の株式交換はメリットが大きい訳ですが、それが必ず使えないとなるとSPCの増資時の登録免許税の軽減ですから、そんなにメリットはないのかなと。

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2005/09/05

エース証券はどこへいく

1日付日経新聞プリヴェチューリッヒ、エース証券を買収へから。

プリヴェチューリッヒ企業再生グループは31日、SBIホールディングスからエース証券(大阪市)の発行済み株式の30.3%を譲り受けると発表した。金額は49億円。プリヴェは他の株主から株式を譲り受け9月中にも過半数を取得して経営権を握る見通し。SBIは昨年夏にエース証券を買収したばかりだが、傘下のSBI証券に対面営業の経営資源を集中させる方針に転換した。

エース証券ってなんだっけと思いWEBサイトを見ると、「本日の新聞報道について」というお知らせがありました。曰くうちはSBIの子会社ではなくて30.3%しか持たれていない関連会社ですから、みたいな冷たい内容です。

SBIのWEBで過去のリリースをくってみると、確かに2004年8月に公開買付を実施して子会社化しています。その時は議決権の過半数を保有しています。その後のエース証券の資本政策で議決権比率が下がったことになります。

公開買付をされるということは有価証券報告書提出会社だろうと思ってEDINETで探して見ると、8月5日付で有価証券届出署が提出されています。それによると、富士ソフトABC等に31百万株の第3者割当増資をし、その結果SBIの出資比率が30.3%に下がっています。この第3者割当増資に応じた株主の持株比率が約45%という既存株主の議決権の大幅な希薄化を伴う増資です。

これを受けてSBIがしたことが、プリヴェへの持株の譲渡です。ここで注意が必要なのは、エース証券の第3者割当増資の結果SBIの持株比率が3分の1以下に下がっていた為に、プリヴェは相対取引で株式を取得できたことです(証券取引法27条の2第1項4号)。そうでなければプリヴェは公開買付手続が必要でした。話が簡単に済んだ訳です。

この経緯を見るに、やはりSBIは損失を最小限で抑えたなと感じます。エース証券を傘下の証券に合併させて関西の地盤を取り込むという初期の目的は達していませんが、それなりの価格で株式を処分できた訳ですから。一方、エース証券の経営陣と先の第3者割当で新たに同社の主要株主になった3社にとっては、エース証券の経営権取得を目指すプリヴェと場合によっては委任状獲得合戦をしなければならない事態ですから、まだまだ波乱含みで気が抜けません。プリヴェですが、念願の証券会社をグループ入りさせるチャンスですが、発表通り議決権の過半数を取得できるかどうかは、今年8月の第3者割当増資組の議決権の保有比率を考えると微妙に思えます。

非上場会社ですから日々状況が見える訳ではありませんが、注目の会社かもしれません。

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2005/09/01

派遣社員が9億円以上着服・東京三菱銀

8月26日付日経新聞派遣社員が9億円以上着服・東京三菱銀に業務改善命令から。

金融庁は26日午後、三菱東京フィナンシャル・グループ傘下の東京三菱銀行に対し、業務改善命令を出したと発表した。同行子会社の人材派遣会社から受け入れた派遣社員による顧客預金の着服が発覚したため。不祥事再発防止策の策定などを求めている。 東京三菱銀による行内調査によると、当該派遣社員の着服は10年以上の長期間にわたり、着服した総額は9億円以上に達し

東京三菱銀行およびその子会社である派遣会社はどういう内部監査をしていたのでしょうかというのが正当な疑問ですが、もう1つの疑問として「10年も気づかない顧客って無防備すぎないか」です。

過去、銀行はごく一部を除く顧客に対してほぼ均質のサービスを提供する体制でした。その結果、小口の事務も大口の事務をするのと同じ工員が同じように処理をすることを当たり前と思って来たのではないでしょうか。それが今のメガバンクでは、顧客の中身によって担当者も提供するサービスも変える戦略をとっています。特に、マスリテール部門における決済サービスは余り収益性が高くないだけに、コスト削減の対象となり易いものと想像します。私のようにネットバンキングとatmで用が足りてしまう人間には、銀行員と面と向かって話をする機会はほとんどありません。高額の送金をした時と子供の口座を開設した時に、久しぶりに窓口に行きましたが、今後の心構えとして自分の目の前にいる銀行員らしき人は本当は銀行員ではないかもしれないと思っておかないといけない時代が来たといえるのでしょう。あるいは、バックオフィスは派遣社員ばかりだとも思わなければならないのでしょう。

結果、事務処理に以前のような丁寧さが欠ける事態は避けられないものという前提で銀行に接しないといけないのかなと思ったりしています。

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