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2005/08/15

ワールドのMBO

ワールドのMBOはなかなかにインパクトがあったようですね。過去に非上場化した例とは規模と会社の知名度が違いますから、当然と言えば当然なことであります。

そのスキームについて以下まとめです。

買収ビークルとして既存の会社を使っているように見える。公開買付人であるあるハーバーホールディングスアルファ(以下α社)は、産業再生法の認定を受けているとのことですから、再生法申請前にあったのではないでしょうか。これはなぜなのでしょうか。

買収ビークルを2つ使っている。α社の親会社として社長100%出資のβ社があります。ワールドの経営陣が出資する予定の会社でもあります。これはタリーズが非上場化する際に、2社設立して直接株式公開買付を行った会社が株式交換により対象会社を100%子会社化した後に、清算することで少数株主退場を図るスキームと理解しています。今回は、現金株式交換を行う訳ですから、少数株主退場の為に2つ会社を使う必要はない気がします。しかし、報道をよく読むと、どうやら公開買付資金の調達をしたのはα社の方に見えます。更に、α社とワールドの合併の可能性と純粋持株会社経営が示唆されていますので、β社は純粋持株会社になる予定ということが考えられます。また、ワールドと合併予定のα社向けとすることで金融機関は事業会社であるワールドに直接貸し付けたことになり、より資金調達がやりやすかったのかもしれませんね。

産業再生法を使って現金対価の株式交換により少数株主の退場を図っている。会社法施行の1年後(今の予定では2007年5月)には現金対価の株式交換が解禁されますが、それまでは産業再生法を使うしかない現状です。その結果、α社やワールドは経済産業省に計画の実行具合を報告する義務が生じますが、経営陣は自信があるのでしょう。

ところで、ワールドの大株主には公益法人が入っています。公益法人は基本財産として保有している株式を処分するには、当該法人の機関決定に加えて、主務官庁の許可が必要な筈です。公開買付公表後かつ買付期間中に主務官庁の許可を取るのは可能なのでしょうか。株であれば配当金で運営できますが、現金に替わってしまっても財団法人の運営に影響はないのでしょうか。もっとも、今回のスキームでは現金株式交換の段階では現金になりますので、どうしようもないという判断なのかも知れません。しかし、仮に、公開買付発表前に公益法人が主務官庁に根回しに動いていたのであれば、重要情報の管理として適切といえるのかという疑問が生じます。

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