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2005/08/16

成功するM&Aか

14日付日経新聞「夢真のTOB、過半数に達せず」にある通り、夢真HDは日本技術開発の経営権を取得することはできませんでした。夢真は事前警告型防衛策の意義(中長期の企業価値向上戦略も描けない経営陣が敵対的買収者に中長期の計画を提出することを求めることは正当かとか、敵対買収を目論むプレーヤーは防衛策があっても仕掛けてくるものだ、とか)を問いかけたり、買収防衛策としての株式分割の有効性を否定したりしてくれました。その意味ではライブドアと共に、日本の会社法制や経営思想を変えさせた功労者であります。

一方で、夢真は日本技術開発を傘下に収めることには、少なくともこの段階では成功していません。買付株価だけで判断を求める株式公開買付を強行した結果、日本技術開発経営陣や従業員の反発を買い、ホワイトナイトという夢真からみた場合の競合相手を呼び込み、夢真主導での買収は困難な情勢です。このままでは、やみくもに公開買付に突入したことが致命的だったと評価されてしまいます。

もちろん、まだ決まった訳ではありません。エイトコンサルタントの公開買付は、買付下限として過半数確保となっている上に、現在進行中であり、その帰趨は10%超を保有する夢真が握っているといえなくもありません。エイトコンサルタントの公開買付を不調に終わらせることができれば、夢真が再度日本技術開発に対して買収提案をすることも可能でしょう。

そもそも夢真は日本技術開発の何が欲しかったのでしょうか。割安株を売り抜けることが目的ではない事業会社ですから、日本技術開発の事業や有形・無形の資産に魅力を感じての買収提案だった筈です。オラクルとピープルソフトの件は、どうあってもピープルソフトが他社の傘下に入ることを阻止したかったオラクルがかなり粘って買収が成立した訳ですが、夢真はどうなのでしょうか。

一方、日本技術開発は防衛に成功したといえるのでしょうか。少なくとも夢真よりも条件の良い買い手を見つけることができた訳ですから、それほど悪い結果とはいえないでしょう。今の経営陣とエイトコンサルタントで企業価値を上げられれば、丸く収まることになるでしょう。それができなければ、経営陣はエイトコンサルタントから首を切られることになるでしょうが、まぁどうせ今の株価を放置せざるを得なかった経営陣ですから、延命できれば御の字なんだろうと思います。従業員とて新体制で能力を発揮できればそれでよしとなるでしょう。

この結果は、防衛策の効果なのでしょうか。防衛策導入発表によって夢真側が多少公開買付の時期をずらしたかもしれませんが、そうではなかったことを考えると、必ずしも防衛策導入効果ではなかった気がします。やはり、防衛策よりも企業価値向上に努めることに経営者が没頭する、できなければ退陣するというのが王道ということなのでしょう。

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