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2005/06/09

ニレコ事件決定文

ニレコの新株予約権発行差止仮処分決定の決定文が東京地裁のサイトに掲載されていたので読んで見ました。日経新聞の報道を見ていたのでポイズンピルそのものに対する批判があるのかなと思いましたが、原則的なスタンスは経済産業省・法務省の「指針」と大差ない印象を持ちました。

どちらも、買収防衛策については株主総会の決議を経て導入し、株主総会決議でいつでも償却できるようになっていることを原則としています。つまり、株主総会決議で導入し、サンセット条項が付いているイーアクセスのポイズンピルは少なくとも導入時に差止をされるリスクはなくなったと理解できます。

ニレコの件では取締役会決議のみでの導入かつ償却ですから、その是非をどう判断するかでは確かに厳しいようです。取締役会が外部者の判断に従わない余地を残している点について、地裁は。ニレコの場合は外部者からなる委員会の勧告を最大限尊重するといいながらも、それが企業価値を損なうことが明らかな場合は、取締役会独自の判断が許容されることになっていることを問題視しています。これはある意味適切だと 思います。最大限尊重というからには従わない場合についての規定は、厳格に規定しておくべきでしょう。

日経新聞の記事でもう1つ問題にしていたのが、利害関係者の利益についても発動条件にしている点です。「指針」においても脅威の具体例としては挙げていなかった項目です。地裁は取締役の恣意性が入る要因であるとして否定しています。逆に言えば株主総会決議での導入とサンセット条項があれば合法になりそうです。経営者側からすれば入れたいところですが、企業価値と株主の利益の観点だけにするべきという地裁の判断は余りむりはないと思います。企業価値の外に利害関係者はないのではないでしょうか。

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