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2005/02/17

書評「詳説自社株評価Q&A」

尾崎三郎監修、竹内陽一・掛川雅仁共編「詳説自社株評価Q&A」(清文社)は、帯に「商法・法人税法の改正を前提に、財産評価基本通達の非公開会社の株式の評価に関する実務上の疑問点に、明解に回答、Q&A形式により最新の情報で解説。」とありますが、まさにそのとおりの本だと思います。(アマゾンでご購入はこちらへ)。

この本の良いところは、まず薄いこと(^^)、Q&A形式になっていて実務上疑問が生じた際に参照ページを見つけやすいこと、です。非上場株式評価の参考書の定番は、現役の東京国税局資産評価官の方が執筆されていることから、「株式・公社債評価の実務―自社株の評価のために」(大蔵財務協会)(amazonでの購入はこちらへ)や「図解 財産評価」(アマゾンでの購入はこちらへ)でしょうが、本書はそれらよりもコンパクトにまとまっており、非上場株式評価が話題になりそうな時にかばんに入れて持っていこうと思えます。

読んでみて、法令や通達が実務家の実感とかけ離れつつあるということを改めて実感します。営業権の評価においても、基準年利率の変更という大きなイベントがありましたが、本書ではその問題点も指摘しています。実務書という観点からはそこまで踏み込む必要はない訳ですが、現場で相当問題になっていることが伺えます。こういう実務家の実感を反映した税制の構築ができると良いなと思います。

ここのところの法令・通達の変更は激しいものがありますので、こういう本が常に最新の法令にもとづいて、実務家の方々の手で執筆されるのは、大変なことだと思いますが、今後の改訂にも期待したいと思います。

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