« ピアレビューに限界はあるのか | トップページ | 失敗するM&A »

2005/02/14

ニッポン放送買収合戦(2)

ニッポン放送買収合戦は、ある意味予想通り、フジテレビが25%の取得を目指すという対抗策を出しました。ライブドアが主張する通信と放送の相乗効果についても、(ライブドア以外の)パートナーとの連携も考えるようです。

ライブドア以外のパートナーはどこか?堀江社長の仇敵三木谷さんや一時はテレビ朝日支配を試みた孫さんは、いまやどちらも球団を保有していますので、ベイスターズやスワローズの株式を保有しているフジサンケイグループに手を出すのは考え難いと思います。私としては、熊谷さんや木村さんや宇野さんあたりはいかがかと思いますが(あてずっぽうですけどね)。

さて、フジテレビの対抗策をうけて、ライブドアも「ニッポン放送の増資」を言っていますし、はぐれバンカーさんは「匿名組合出資方式」を考案されています。

しかし、どちらも前提条件があります。それは、「ニッポン放送の取締役会を支配してからの対抗策」だということです。現在のライブドアの持ち株比率はわかりませんが、連休中の堀江社長のコメントからは過半数をとったという発言はありませんから、ライブドアグループ単独では、まだ取締役会を支配できません。

これが、村上氏とすでに共同歩調をとることが合意されているとなると話は別で、現状でもライブドア派の持ち株比率が50%を超えていることになります。しかし、今のところ、表向きは、そのようなコメントを出していませんので、(たとえ馬鹿正直といわれようとも)それを信じて議論を進めます。

ライブドアグループで議決権の過半数をとっていれば、臨時株主総会を請求し、議案に取締役の新規選任(現在19名ですから、20名を新規選任で取締役会をコントロール可能です)を入れ、総会でそれを通すことができます。そうなれば、普通発行による増資も重要な資産の処分も可能です。

仮に、ライブドア派で議決権の3分の2をとっていれば、取締役の解任も可能ですし、有利発行の増資も決議できますから、万全ですね。

いずれにせよ、ライブドアが過半数を取るまでには、少し時間がかかると思われます。その間に、フジテレビが次の対策をとることも可能です。例えば、ホワイトナイトを探してくるとかですね。

|

« ピアレビューに限界はあるのか | トップページ | 失敗するM&A »

Business Law (Japan)」カテゴリの記事

Financial Management」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。取り上げていただいてありがとうございます。

私のは単なる思い付きですので、経営・会計通信2さんのように真面目なブログに書かれてしまうと、嬉し恥ずかしです。

今後ともよろしくお願いします。

投稿: はぐれバンカー | 2005/02/14 22:49

柔軟な発想こそがディールメーカーの条件だと思います。今後も興味深いポストをお願い致します。

投稿: krp | 2005/02/15 15:17

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ニッポン放送買収合戦(2):

« ピアレビューに限界はあるのか | トップページ | 失敗するM&A »