ピアレビューに限界はあるのか
10日付日経新聞「会計士の不正、協会チェック「甘い」・金融庁」から。
公認会計士などの業務を監視する金融庁の「公認会計士・監査審査会」は9日、日本公認会計士協会に対し、協会による会計士の不正チェックが甘いとして改善を求めた。監査に使った書類の中身を精査していないなど手続きがずさんなうえ体制も不十分だと指摘。詳細なチェック項目の策定や担当者の大幅増などを求めた。問題が解消しなければ金融庁に行政処分を求める方針だ。
公認会計士協会による監査のチェックは、ピアレビューとも呼ばれる手続きです。協会の会員である公認会計士が別の会員の監査をチェックするというシステムは、担当者の質および量の確保や「馴れ合い」を排除できるのかといった点で批判があります。
アメリカではPCAOBという組織ができて、そこが会計事務所の監査をチェックする仕組みです。金融庁の「公認会計士・監査審査会」もPCAOBと同等の組織のはずですが、公認会計士協会のピアレビューをチェックすることにとどまっているのは、やはり担当者の質と量の確保ができないからです。
その意味では、公認会計士試験のほどんどが監査法人や(税理士登録後に)税理士法人に勤務するという実態から変わらないといけないんでしょう。
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