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2005/02/02

会計上、税務上の観点

1日付日経新聞「武富士、OMCカード株の売却とりやめ」から。

武富士は31日、売却方針を公表していた同社が保有するオーエムシーカード株について、当面は売却を見合わせると発表した。武富士は1月19日にOMCカード株約2884万株(発行済みの13.5%)を市場外の相対取引ですべて売ると発表していた。武富士は売却見合わせの理由を「会計上、税務上の観点からも再検討を加えた結果」と説明している。

「会計上、税務上の観点」ってなんなんでしょうね。なんか気になる表現ですね。

武富士はOMCカードの売却により約250億円の利益を得る見通しだった。これに合わせ、不動産の売却損などを計上する計画だったが、会計や税務面で計画通りにいかない点が出てきた。武富士は売却方針の発表後すぐに、保有株をすべて売却する方針だったが、投資家需要が集まらず、一括売却ができなかったことで当面の売却を断念した側面もあるようだ。

財務会計上の有価証券売却損益も、税務上の譲渡損益も、現在は「約定日」に計上できる筈ですから、3月末までに約定できれば良いと思うのですが。3月決算の日系機関投資家は3月に新規投資は余りしないという話は聞いたことがあります(本当かどうかは知りませんが)が、まだ1月ですからねぇ。

一方で、税務上の不動産の譲渡損益の計上日は、原則引渡しがあった日ですね(法人税基本通達2-1-14)。約定日でも認められるのは、通達文を読む限りでは「益金」だけのようです。引渡し日が何かというのは、法人税基本通達2-1-2によるとされていますから、相手方の使用収益開始の日等ですね。分割払等で代金未決済でも相手方が使用を開始していれば、損益を計上できるわけです。財務会計上は明確ではなかったとので、昨年来基準が検討されていたと思います。

つまり、有価証券譲渡益と不動産の譲渡損を2005年3月期に財務会計および税務会計で計上するには、3月末までにOMCカード株式売却の約定ができ、かつ相手方が不動産の使用収益を開始していないといけないことになります。そのどちらかが崩れたので、今回の発表になったと考えられます。日経の書き方は、3月末までに有価証券売却益が予定通り計上できそうにない(4月以降の約定を望む投資家が多かった?)ことが理由であることを示唆しているようです。

2-1-14 固定資産の譲渡による収益の額は、別に定めるものを除き、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、その固定資産が土地、建物その他これらに類する資産である場合において、法人が当該固定資産の譲渡に関する契約の効力発生の日の属する事業年度の益金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「六」により改正)
(注) 本文の取扱いによる場合において、固定資産の引渡しの日がいつであるかについては、2-1-2の例による。
2-1-2 2-1-1の場合において、棚卸資産の引渡しの日がいつであるかについては、例えば出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。この場合において、当該棚卸資産が土地又は土地の上に存する権利であり、その引渡しの日がいつであるかが明らかでないときは、次に掲げる日のうちいずれか早い日にその引渡しがあったものとすることができる。(昭55年直法2-8「六」により追加)
(1)  代金の相当部分(おおむね50%以上)を収受するに至った日
(2)  所有権移転登記の申請(その登記の申請に必要な書類の相手方への交付を含む。)をした日

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