コングロマリット解体
1日付日経新聞「米シティ、生保・年金部門を1兆1900億円で売却」から。
世界最大の金融コングロマリットであるシティグループは31日、傘下の生命保険・年金部門トラベラーズ・ライフ&アニュイティを米生保大手のメットライフに115億ドル(約1兆1900億円)で売却すると発表した。競争力のある事業に経営資源を集中投入するのが狙い。国際的な金融再編をリードしたシティが主要部門の売却に動いたことで、世界的に広がる「メガ金融」志向に影響を与える可能性がある。
金融庁がこんなもの(pdfファイルです)を発表して「金融コングロマリット法(仮称)を整備」とかいっている一方で、お手本にした米国ではコングロマリットが解体の方向で動いている、という構図です。滑稽ですね。
金融商品のワンストップショップというのは極めて判りやすくて魅力的な話です。縦割り行政で業種横断的な商品がなかなか出てこないのも問題です。しかし、金融コングロマリットが登場することで、本当に利用者の利便性を考えた商品体系になるのかどうかは疑問です。企業としてみれば共倒れリスクだってありえます。
シティグループは1998年に保険と証券を中核とするトラベラーズ・グループと米最大の銀行であるシティバンクを傘下に保有するシティコープが合併して誕生した。今回、売却する保険部門はトラベラーズの母体となった部門。保険部門を手放すことで、シティグループは証券と銀行を中心とした金融グループに再編される。シティはこれまでの積極的な企業の合併・買収(M&A)による拡大路線の修正に動いており、損保部門を米損保大手セント・ポールに売却したほか、リース部門なども手放したばかり。
日本で一番コングロマリット化が進んでいるのは三菱東京FGだと思いますが、生保部門売却後のシティグループの構成とMTFGの構成はよく似ている気がします。ここらへんがちょうど良いのかもしれませんね。
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