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2005/01/24

西武鉄道株を戻さない企業

22日付日経新聞「コクド、西武株買い戻し64社と合意」から。

西武グループ経営改革委員会は21日、有価証券報告書の過少記載を公表する前にコクドが西武株を売却した問題に関連し、20日までにコクドが売却先72社のうち64社と売買契約の解除について合意したと発表した。金額ベースでは650億円のうち、530億円の返却となる。

この記事の時点で8社売買契約の解除について合意していない企業があるという訳です。これらの企業は解除しないで良いという判断なのか、契約解除交渉がまとまっていないのか、どちらかだと思われます。

仮に売買契約を解除しないという判断をした上場企業があった場合、会計処理はどうなるのか、株主にどう説明するのか、などの興味深いテーマが出てきます。

会計処理ですが、現在は非上場株式である西武鉄道株式をいくらで計上するか、という問題があります。非上場会社の場合には、会社内容が大きく悪くなっていない限りは、取得価額で計上しているケースが多いと思います。西武鉄道の場合、会社の事業内容には大きな変更はないでしょうが、取得時の株価は上場廃止時の株価を大きく上回っている点をどのように考えるべきかも興味深いテーマです。上場廃止時の株価で評価するとなると、評価損が発生します。評価下落率は大きいですから、減損対象になるかどうかの判断も必要になります。減損するとなると、特別損失を計上して、当期利益の減少要因です。

株主としては、問題含みの取引で、しかも同時期に同じ方法で取得した会社の大半が売買契約を解除したにもかかわらず、解除しなかった理由の説明を求めるのは当然でしょう。株式持合いをしたからといって、西武鉄道がメリットを提供できるか、といえば、透明性や合理性を重視した当たり前の経営へと舵を切った西武鉄道の現在の経営環境では難しいと思われます。仮に、西武鉄道がジャスダック市場に上場して、取得価額を上回る株価となる可能性があるといったところで、それは当該企業のビジネスが非上場株式投資でもない限りは正当な説明とはいえないと思います。

そう考えると、売買契約を解除しない手はないと思うのですが、いかがでしょうか。

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1月29日付日経新聞によると、全72社と契約解除で合意したようですね。当然といえば当然の結果ですが。一方で、1月31日付朝日新聞によりますと「西武鉄道個人株主ら210人、2月1日に経営陣提訴」だそうです。こちらは株価下落リスクへの経営責任を問うというインパクトが大きい訴訟となりますので、原告弁護団のお手並み拝見です。(1月31日追記)

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