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2005/01/14

大証「会社情報等に対する信頼向上のための上場制度の見直し等について(案)」

見逃していましたが、コクド問題に端を発した情報開示ルール強化の流れの中で、昨年12月21日付で大阪証券取引所が「会社情報等に対する信頼向上のための上場制度の見直し等について(案)」をパブリックコメントにかけていました。コメントは1月11日で締め切られてしまいましたので、今は応募できません。

内容を見ると東証とほぼ同様の措置に思われます。ただし、ヘラクレスについては、東証がマザーズに対してとった措置とは異なる姿勢を示しています。両者のパブリックコメントを比べてみるとわかります。

「ヘラクレスにおいて、継続開示会社等ではない親会社等を有する上場会社については、親会社等との関係に加え、以下の内容に係る情報を開示することとする。
①親会社等が継続開示会社等ではない旨
②将来的な親会社等との関係
新規上場申請者の議決権の過半数を所有する親会社等が継続開示会社等でなければならないとする現行の取り扱いについては変更しない」(大証パブリックコメント3ページ)
「マザーズ上場会社については、現行は持ち株比率が50%超の親会社のみが開示義務の対象となっていますが、市場第一部・第二部上場会社と同様、持株比率が50%以下の親会社および当該マザーズ上場会社を関連会社とする会社の情報についても開示を求めることとします。」(東証パブリックコメント3ページ)

つまり、持株比率がたとえば30%の親会社等がある会社が東証マザーズに上場しようと思うと、その親会社等の内容を開示しなければいけませんが、ヘラクレスに上場する場合には財務内容の開示までは求められない、と読めます。

1月11日付でヘラクレスに上場承認されたデジタルスケープという会社に、大証のその立場が示されているようです。この会社の1の部をみると、マスダアンドパートナーズ株式会社(増田宗昭CCC社長の財産保全会社でベンチャー企業投資を業としている会社とされています)が60%超を保有する親会社等ですが、同社は継続開示会社等ではありません(少なくとも、開示資料を見つけることはできませんでした)。

上場時には公募増資(1000株)と売り出し(マスダアンドパートナーズ社による800株)により49.83%と50%以下になることから、親会社等が継続開示会社等でなく、関係等を1の部の22ページ以下で開示するにとどまっていても、上場が承認されたものと思われます。

今後、このような会社の上場の受け皿としてヘラクレスが注目されることになるかもしれません。しかし、逆にヘラクレス上場企業は「コクド予備軍」みたいなレッテルを貼られることのないように、大証は上場企業の開示内容に目を光らせて頂きたいものです。駿河屋の上場廃止を先導したのは大証だというイメージを崩してはいけないでしょう。

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コメント

『マスダアンドパートナーズ株式会社(増田宗昭CCC社長の財産保全会社でベンチャー企業投資を業としている会社とされています)が60%超を保有する親会社等です。』

↑マスダ社はあくまで財産保全会社であり、さらにベンチャー企業投資を業としてるから、開示対象から外れるという扱いではないのでしょうか?
東証では財産保全会社や投資育成を目的とするファンドには、開示を要求していませんよね?

投稿: Tom | 2005/01/18 21:32

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