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2005/01/04

「経営者天国」

30日付日経新聞経済教室『「経営者天国」牽制が必要』(上村達男早稲田大学教授)から。

上村氏には、『会社法改革―公開株式会社法の構想』という著書もあり、株式会社が資本市場からお金を搾取する存在になりがちであるという観点からの発言が多数あります。

上村氏の論旨は、完全子会社の経営者に対して完全親会社の株主によるガバナンスが効くように会社法で手配しないと、完全子会社が経営不正の巣になってしまう、というものです。例として、旧日本興業銀行に係る株主代表訴訟がみずほホールディングの発足により門前払いされた件、旧大和銀行に係る株主代表訴訟がりそなホールディングが発足するために早期の和解を強いられた件、UFJ銀行による三菱東京FG宛優先株式発行はUFJホールディングの経営に重要な影響があるにもかかわらずUFJホールディングの株主総会決議が不必要であった件、があげられています。

純粋持ち株会社を使った株主代表訴訟逃れについては、現在法案とりまとめ作業中の会社法現代化で手当てされるようですが、上村氏は、会社法現代化案においても完全子会社に対するガバナンスに関する手当てがなされておらず、不十分だとの立場です。確かに、UFJ銀行の優先株発行については、UFJホールディングの株主の立場からみれば割り切れないものがあります。

統合比率すら示していない三菱東京FGとの経営統合が良いと言い切る経営陣も腹をくくっている筈です。その実現を確実にする手段をとる権利はあるでしょう。しかし、本来は株主総会の特別決議が必要な経営統合を、中核子会社の種類株発行により、それ以外に手段がないような状態にできる商法には、やはり「問題あり」かなと思います。

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