« 西武鉄道株を戻さない企業 | トップページ | 会社分割か株式移転か »

2005/01/25

足利銀行の会計監査人が戒告処分

25日付日経新聞「金融庁、中央青山を戒告処分へ・足銀監査で内部管理不備」から。

「金融庁は24日、中央青山監査法人に対し、一時国有化された足利銀行の経営破たんに至るまでの監査で、内部管理体制に不備があったとして公認会計士法に基づき戒告処分とする方針を固めた。監査結果を通知する前に内容を第三者が的確に審査していなかったほか、監査過程などを記録する法定資料の作成を怠っていたという。」

アンダーセン崩壊の過程では相当な混乱が生じた訳ですから、寡占状態になっている大手監査法人に対する厳しい処分は、影響力を考えると、そう簡単にはできないのが実情でしょう。また、監査実務にあたる公認会計士の方々とてプロフェッショナルですから、簡単な手法で実質債務超過を隠していたのであれば、発見できていた筈ですので、「重大な見過ごし」や「虚偽の判断」があるとは思えません。そういう意味でもアンダーセンとエンロンは例外的だったのだと思います(個人的にそう思いたい面があることも否定しません)。

しかしながら、投資家としては、投資家の立場に立った会計監査に期待するところは大きいのも事実であります。会計監査人とて万能ではありませんから、結果責任をすべて負わされるのではなり手がなくなってしまいますが、複雑化する企業活動をしっかりと監査できる能力を開発する努力を怠ってはいけません。監査論でいう「期待ギャップ(expectation gap)」をどのように埋めるかという、極めて根本的な問題でもあります。

金融庁は昨年から中央青山を調査。その結果、担当会計士が虚偽の判断をしたことは認められなかったものの、本部が監査結果を十分に再点検していなかったなど業務を進める上で社内の管理体制に問題点が多く見つかった。
中央青山は戒告処分により、内部審査の徹底など業務の改善を求められる。金融庁は足利銀行についてこれまで「銀行の判断で破たんの申し出があった」と説明、監査法人の判断には言及していない。

足利銀行は地元企業への増資要請に、中央青山監査法人の適正意見のついた財務諸表を使っていた訳ですから、結果的に投資家の期待を裏切った監査となったことに対する反省をしてもらわなければなりません。法人内の審査体制を改善することも必要ですが、個々の会計士の監査能力向上に向けた取り組み姿勢も示していくことを求めたいと思います。

中央青山以外の監査法人に同様のことが求められます。

|

« 西武鉄道株を戻さない企業 | トップページ | 会社分割か株式移転か »

「Audit (Japan)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40094/2688530

この記事へのトラックバック一覧です: 足利銀行の会計監査人が戒告処分:

« 西武鉄道株を戻さない企業 | トップページ | 会社分割か株式移転か »