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2005/01/11

西武グループの構造

11日付朝日新聞「西武グループ、持ち株会社新設へ 鉄道・コクドを傘下に」から。

西武鉄道グループは、創業家の堤義明・前コクド会長に権限が集中してきた経営体制を刷新するため、グループ経営の中核として新たに持ち株会社を設立する方向で最終調整に入った。これまでは、西武鉄道の親会社コクドがグループ企業の実質的な持ち株会社として機能してきたが、資本関係を抜本的に見直し、コクド、西武鉄道とも新設する持ち株会社傘下の子会社とする。持ち株会社は委員会等設置会社とする方向で、最高経営責任者(CEO)には、みずほコーポレート銀行の後藤高志副頭取を起用する案が有力だ。

朝日新聞紙面上には、新設の持株会社の下に西武鉄道とコクドが並列で並ぶ図が掲載されています。ここで問題となるのは、JASDAQ市場へ上場するのはどこか、ということです。普通に考えれば新設の持株会社であるべきです。そうでなければ、委員会等設置会社が云々以前に、グループの全体の経営に対するガバナンスが効かないからです。

そのなかで、合併やコクドを子会社化する場合は、不振となっているコクドのレジャー事業の立て直しが西武鉄道の重荷になりかねないと判断。2社の経営の独立性を保ちやすい持ち株会社方式を最有力案として絞り込んだ。

2社の経営の独立性といいますが、持株会社のコントロールに服するという点では変わりありませんし、西武鉄道グループのキャッシュフローがコクドグループの事業再編に使われる可能性は十分にあります。それでも、持株会社が上場するのであれば、持株会社の株主総会で株主は発言することができますから、そこでガバナンスを効かせることも期待できます。

しかし、仮に西武鉄道が上場するのであれば、実態として今と変わりはなくなる可能性が残ります。もちろん、現行の上場ルールでは、持株会社が西武鉄道株式を20%以上保有することが前提であれば、持株会社は継続開示会社として有価証券報告書を提出してグループ全体像が見えたとしても、持株会社の経営に対して西武鉄道の株主は何の発言権もありません。

どうも西武鉄道のみの上場を考えているようにみえるのですが、西武グループのガバナンスの根本的な構造問題を解決する方向は見失わないでほしいものです。

コクドと完全子会社のプリンスホテルは、昨年9月末段階で西武鉄道株の約53%を保有しており、虚偽記載の公表前に大量売却した西武鉄道株の買い戻しを進めているため、持ち株比率はさらに高まっているとみられる。持ち株会社を設立する際には、保有する西武鉄道株を移管する予定。

持株会社がコクドを100%子会社化すれば、資産の移動に伴う税コストは最小限ですむと思いますから、これは可能でしょう。結果、持株会社が西武鉄道の株式の80%超を保有する圧倒的な親会社となることが予想されます。やはり、株式交換で持株会社が西武鉄道を100%子会社化して、持株会社が上場するべきでしょう。

ただ、持ち株会社によるグループ再編には、コクドや西武鉄道の株主総会での決議が必要となる。コクドの大株主である堤氏は、改革委の方針に従う意向とされているが、具体的な調整はこれからだ。また、コクドの役職員名義の株について、だれが本当の株主かがはっきりしない状況もあり、今後の道筋には不透明な部分も残る。

歴史が長い非上場会社の株主の確定は、過去従業員個人に株式を(本当に)譲渡している場合、一般的にいっても大変です。相続等で移動している可能性があるからです。2006年4月施行といわれる会社法の現代化では、株式の譲渡を制限できるイベントとして相続や贈与を加えられるようになる予定ですから、この部分は大分楽になると期待されます。

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