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2005/01/04

株券ペーパーレス化の影響

1日付朝日新聞「堤氏、事前に違法性認識 監視委・検察協議 西武鉄道株」から。

西武鉄道による有価証券報告書虚偽記載問題で、同社グループのオーナーである堤義明・前コクド会長が04年5月ごろ、個人名義に偽装した西武鉄道株をコクドが違法に大量保有していた事実についてコクド役員から報告を受けていたことが分かった。偽装の発覚を恐れて両社役員が対策を協議していたことを受けたものとみられ、堤前会長らが違法性を認識していたにもかかわらず、西武鉄道は同年6月、虚偽の記載をしていた疑いが強まった。証券取引等監視委員会も詰めの調査に入っており、東京地検特捜部と協議している模様だ。

記者会見で虚偽の発言をしていたということですから、いよいよ堤義明氏ご本人に捜査が及ぶ事態になりそうです。捜査は整斉と進めて頂きたいですし、その後の裁判では、相続税や証券市場制度のどこに問題があり、それがどのように利用されたのかが明らかになることを期待します。それを受けて、税務および金融当局は制度の改正に動いて頂きたいと思います。

ところで、朝日新聞の報道によると、西武鉄道が名義株問題を隠しきれないと判断した最大の理由は、株券ペーパーレス化だったとしています。

関係者によると、西武鉄道とコクドの役員や株式担当者は03年中、上場企業を対象に株券を電子化してペーパーレスにする制度が数年後に実施される公算が大きくなったことから、意見交換の場を数回にわたって開き、対策を協議した。
この制度では、株主は証券会社などを通じて「証券保管振替機構」に株券を預けた上で、電子化対応の管理口座を開設する手続きをとるが、株券を預ける際に株主の本人確認などが必要となる。
両社の協議は、個人名義に偽装してコクドなどが保有する西武鉄道株の取り扱いが主要テーマとなり、株主の本人確認手続きにより名義偽装が発覚する可能性が高いとの認識に至ったという。
 

株券ペーパーレス化に名義偽装を発覚させる効果があるとは気づきませんでした。担保株券の第3者対抗要件が一番気になっていたのですが、そちらは株主名簿記載をもって対抗できるようになるそうなので、あとは銀行等の実務家の方々に詰めていただけると思っておりました。私がそんなこと考えている間に、コクド/西武鉄道グループの幹部の方々は、堤義明氏の相続対策への影響に関する会議を延々と繰り広げられていたことになります。企業オーナーの資産管理に関与する方々のご苦労と想像力には恐ろしいものを感じます。

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