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2004/12/27

会計監査人の解任

25日付日経新聞「中央青山監査法人を解任」から。

「顧客管理システム構築のイーシステムは24日、監査法人だった中央青山監査法人を解任し、ASG監査法人(東京・千代田)に変更すると発表した。中央青山が取引先の取引内容を確認しようとしたことについて、「守秘義務違反に当たる」(管理本部)と判断したため。

「監査法人を解任」ではなくて、「会計監査人を解任」だという、突っ込みはさておき、会社のプレスリリースはこちらです。「守秘義務違反」云々は日経新聞の記者による取材らしく、プレスリリースでは「監査手法に対して認識の相違」があることのみを述べています。

さて、会計監査人の解任に関する商法特例法の規定は以下の通りです。

(会計監査人の解任)
第六条 会計監査人は、何時でも、株主総会の決議をもつて解任することができる。
2 前項の規定により解任された会計監査人は、その解任について正当な理由がある場合を除き、会社に対しこれ<によつて生じた損害の賠償を請求することができる。
3 第三条第二項及び第三項前段の規定は、会計監査人の解任を株主総会の会議の目的とする場合について準用する。
第六条の二 会計監査人は、次の各号の一に該当するときは、監査役会の決議をもつて解任することができる。
 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つたとき。
 二 会計監査人たるにふさわしくない非行があつたとき。
 三 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
2 前項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役会が選任した監査役は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。
3 第一項の規定により解任された会計監査人は、前項の株主総会に出席して意見を述べることができる。
(会計監査人の選任等についての意見陳述)
第六条の三 会計監査人は、会計監査人の選任、不再任又は解任について、株主総会に出席して意見を述べることができる。
(会計監査人の欠けた場合等の処置)
第六条の四 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役会は、その決議をもつて一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
2 第四条、第五条及び第六条の二の規定は、前項の職務を行うべき者について準用する。

今回の解任は監査役会の決議による解任ですから、6条の2第1項に列挙された3つのどれかに該当すると、監査役会が判断したことになります。「監査手法に対する認識の相違」では、そのいずれにも該当しない可能性が高いと思われます。

「取引先の取引内容の確認しようとしたことは守秘義務違反」という会社側の説明が、1の「職務上の義務に違反」もしくは、2の「非行」に該当するのかどうか。中央青山の言い分も聞きたいところですが、監査法人は個別の件のディスクロージャーはしてくれないようです(正午現在WEBサイトに記載はありません)。

そもそも、「取引先の取引内容の確認」というのが、どのような行為なのでしょうか。監査実務経験のない私には判りませんが、「取引先「と」の取引内容の確認」であれば、普通に行われている行為だと思います。「取引先の取引内容」という表現は、そこらへんとあえて違う表現ですですから、何なのでしょうか。

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