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2004/12/16

平成17年度税制改正

自民党の平成17年度税制改正大綱が昨日公表されました。世間では定率減税廃止と来年度に先送りになった増税テーマの多さが話題ですが、それ以外にも暗い話題はあります。

1.公開株特例の廃止

これは上場前3年以上保有している株式を上場後1年以内に市場で売却した場合に、譲渡所得を半分とみなすという特例です。新聞報道では、上場株式を市場売却した際の税率が10%になっていることに伴い一時適用が停止されている為、影響はないとされています。しかし、上場株式の譲渡益の税率は原則20%で、10%は時限措置(期限平成19年12月31日)になっている点を忘れてはいけません。

経済産業省は起業の促進に必死なのに、企業家へのインセンティブであるこの特例を易々と廃止させるというのはどういうことなのでしょうか。言い訳は平成19年12月31日の期限は延長させるから、ということでしょうか。しかし、金融所得一元化の流れの中で、その税率をそろえるのが課税当局の考え方でしょうから、それが簡単に通るとは思えません。

2.匿名組合出資

いわゆるレバレッジドリースで、償却費用を損金として認識して、個人の場合はほかの不動産所得と、法人の場合は他の益金と通算することを封じています。個人の場合は、平成18年から匿名組合出資に伴う損失はなかったものとなりますし、法人の場合は、平成17年4月以降の契約から、損金算入は出資金を限度とする(利回り保証があるような場合は、損金算入を認めない)こととなります。

課税当局はレバレッジドリースは課税逃れとみているようですが、課税逃れではなく、課税の繰り延べであるという、私には合理的に聞こえる主張は省みられなかったようです。航空機会社はレバレッジドリースの仕組みを利用して機体を調達していますので、航空機会社の経営にもインパクトを与える税制の変更といえます。

加えていえば、匿名組合出資に関するこのような課税当局の姿勢は、経済産業省が音頭をとっている日本版LLCや日本版LLPのパススルー税制の議論でも出てくるものと思われます。

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