日本IBMのPC事業部もLenovoへ転籍
PCWatch「日本IBMのPC事業部もLenovoへ転籍」にIBMとLenovoのPC事業統合のスキームが紹介されています。これでは Lenovo の情報開示とちょっと違う気がします。
「PC事業のLenovoへの売却は、2005年第2四半期をめどに行なわれる。IBMは、6億5千万ドルの現金と、6億ドル相当のLenovoの株式を受け取る。この株式は3年間のロックアップ期間が設けられており、期間中は保有し続ける義務がある。また、PC事業を精査した結果、確認された5億ドルの負債についてもLenovoが引き継ぐ。
Lenovoは、PC事業を行なう新会社(以下、新Lenovoと略称)を設立する。新LenovoはLenovoホールディングスの100%子会社であり、IBMの資本は入らない。
新Lenovoの本社はニューヨークに、拠点はLenovoがある北京と、IBMのPC事業の拠点であるノースカロライナ州ラーレイに置かれる。研究開発拠点は、中国、米国、日本に置かれる。
新Lenovoには、IBM PC事業の経営、製造、研究開発、営業、マーケティングなどがすべて移管される。向井理事によれば「一部の切り売りではなく、PCに関するすべてのファンクションを異動する」と解説された。
まず整理しなければいけないのが、Lenovoのグループ構成です。LenovoのWEBによると、Lenovo Group という香港市場に上場している会社がPC事業を行っています。Lenovo Group の筆頭の株主で、IBMのPC事業買収前に過半数をコントロールしていたのが、Lenovo Holdings です。非上場の中国本土の会社のようです。
Lenovoの情報開示では、IBMは Lenovo Group にPC事業を売却し、キャッシュ(と同社株式を受け取ることになっています。また、IBMと各種提携契約を締結するのも、Lenovo Group となっていたはずです。これはこれで資本業務提携ということですから、納得感があります。
Lenovo Holdings の100%子会社として新 Lenovo が設立されるという開示は今までなかったと思います。仮に、PCWatchの報道が正しいストラクチャーだとすると、IBMのPC事業を移管する会社に、IBMは出資しないで、その兄弟会社である Lenovo Group の株式を保有し、提携関係を有することになります。このようなストラクチャーを選択した理由は何なのでしょうか。
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