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2004/12/03

インボイスの新株予約権の税務

Louts21「インボイスの新株予約権は権利付与時及び権利行使時も課税関係生じず」から。

「東京国税局は11用11日付けで「譲渡制限のない新株予約権を株主等へ一律に付与する場合の所得税法の取扱いについて」を公表した。これは株式会社インボイスからの事前照会に回答するもの。」

国税庁の回答はこちらにあります。

「税務上の取扱いだが、まず、新株予約権の権利付与時については、全株主に一律に付与するものであり、同社からの資産移転や既存株主間における経済的価値はない。したがって、所得税法第36条に規定する「収入」はないことから課税関係は生じないとしている。また、権利行使時においても、当該新株予約権は株主に対して一律に付与するものであり、所得税法施行令第84条各号に掲げる権利には該当しないことなどの理由から課税関係は生じないとしている。」

株主割当ですから、これはそうなるだろうなと思っていましたが、インボイスさん(およびインボイスさんに付いている専門家の方々)は国税庁にちゃんと照会までされていたんですね。ストックオプションではない新株予約権や種類株の実務は判らないことがありますので、ここまでやってくれていると、後に続こうとしている者(いるかどうかは存じ上げませんが)にとっては、ありがたいです。

「新株予約権の譲渡時については、租税特別措置法第37条の10第3項に規定する「株式等」に該当することから、譲渡した場合の所得金額は「株式等に係る譲渡所得等の金額」として取り扱うとした。」

これもその通りだと思います。新株予約権証券は証取法上の有価証券ですから、株式等以外には考えられないでしょう。

「また、株主の請求により新株予約権を会社が買い取る場合の金銭についても、同様の取扱いとしている。これは、新株予約権の買取時の公正な価額による対価であり、かつ所得税法第25条第1項各号に掲げる事由により交付する金銭にも該当しないため、配当所得として取り扱うことはない旨を明らかにしている。」

所得税法25条第1項各号は、ちなみに文末の通りです。第5号にばっちり、「自己の株式」と限定して書いてありますので、新株予約権証券の場合は適用できない、という見解が追認されています。新株予約権を行使して株式になると、市場経由もしくは公開買付によらない限りはみなし配当所得を計算しなければいけないのですが、新株予約権証券はどんな格好でも良いということなんですね。法令が追いついていないのか、それとも何かロジックがあるのでしょうか。

1.当該法人の合併(法人税法第2条第12号の8に規定する適格合併を除く。)
2.当該法人の法人税法第2条第12号の9に規定する分割型分割(同条第12号の12に規定する適格分割型分割を除く。)
3.当該法人の資本若しくは出資の減少(株式が消却されたものを除く。)又は当該法人の解散による残余財産の分配
4.当該法人の株式の消却(取得した株式について行うものを除く。)
5.当該法人の自己の株式の取得(証券取引法第2条第16項(定義)に規定する証券取引所の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得を除く。)
6.当該法人からの社員の退社又は脱退による持分の払戻し

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「インボイスの新株予約権の税務」で、以下のように書きました。 「新株予約権を行使 [続きを読む]

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