オーナー一族の会社を連結子会社に
2日付日経新聞「シダックス、シダックスC&Vを連結子会社に」から。
「シダックスは1日、病院や企業の売店などを受託運営するシダックスシーアンドブイ(東京、志太正次郎社長)の株式を7億9500万円で22%取得し、連結子会社にすると発表した。役員も派遣する。シーアンドブイはシダックスの創業者一族が株式を保有し、経営していたが、これまでシダックスの連結対象会社ではなかった。シーアンドブイの2004年3月期は売上高が123億円、経常損益は700万円の赤字。」
プレスリリースはこちら(pdfファイルです)です。それによると、過去に株式交換によりシダックスが100%子会社化する予定であったのですが、取りやめとなった経緯があるようです。
ここで注目なのは、シダックスC&Vはシダックスの株式を保有している(0.3%)こと、同社の主要株主(24.0%)にシダックスの主要株主(13.4%)でもあるエスアンドエイ株式会社が登場していることです。シダックスはジャスダック銘柄ですから、エスアンドエイはシダックスの親会社等には該当していないかもしれません。
ただし、東証上場時には、親会社等に該当すると判断される可能性があります。平成15年6月以降は、親会社等に該当する場合、財産保全会社であっても、財務内容や重要事実の開示が求められています。財産保全会社の特例は、会計監査が上場直前期1期のみで良いことであり、開示義務は免れません(東証『新規上場の手引き(第1部・第2部編)』P100参照)。
ジャスダックも取引所化する訳ですし、西武鉄道グループ・コクドや日本テレビ・読売新聞の件もあり、ルールが厳格化する可能性はあります。それらのルールへの対応とみるのは、シダックスの100%子会社とする訳ではないこともあり、うがちすぎだと思いますが、こういう動きがオーナー企業と呼ばれる上場会社に起きてくるのかもしれません。
ちなみにですが、なんでシダックスの100%子会社にしないのでしょうね?それが一番すっきりすると思うのですが。
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