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2004年11月

2004/11/30

「武井帝国」って

nikkeibp「有罪でも続く「武井帝国」、武富士に未来はあるか」から。

「売却を信じるわけにはいかない。信託設定しても、売却できないケースがある」(津田武寛・日興シティグループ証券株式調査部ディレクター)

事実として売却できないケースがあるのおはその通りですが、「信じるわけにはいかない」というのも、敵意むきだしのあんまりなコメントですね。

「そもそも、武井被告の持ち株比率が4分の1に低下しても、今の株式処理スキームでは「武井支配」の構図が崩れるわけではない。多方面に分散して売却したことで、武井被告が大株主の地位を守っているからだ。そして、社員研修所を兼ねる東京・高井戸の豪邸「真正館」に住み続けている。しかも、二男の健晃氏が代表権を持ち、実動部隊である営業部門を統括している。一方で、改革のために松井証券から招いた元久存社長は、存在感が薄くなっているとささやかれる。
いまだ続く武井帝国。だが、分散売却というスキームは、一時的な武井支配を可能にしたが、その継続を保証するものではない。それどころか、波乱の火種を残した。武井被告の持ち株比率が下がり、敵対的買収をかけられる危険が高まっているのだ。営業力が衰えたとはいえ、武富士は今後も年間1000億円超の営業利益を生み出すと見られる。連結利益剰余金も8600億円に上る。一方、株価低迷によって時価総額は9000億円程度に落ち込んでいる。この状態を外資系金融機関や投資ファンドが黙って見過ごすはずがない。
それに対して、武井被告が取り得る防御策には限界がある。貸金業規制法によって、執行猶予の4年間と、その後の5年間は25%を超える株式保有を許されない。つまり、今後9年間、株を今以上に買い増すことができず、買収を受けやすい状態が続く。
王位の禅譲という穏便な結末を嫌った武井被告。だが、それは武富士騒動第二幕の始まりを予感させる。今後、武富士株を巡る壮絶な戦いが繰り広げられるかもしれない。」

筆者である金田氏が、武富士が自己株式取得により連結剰余金を使うと同時に、処分信託の実効性を高めるというシナリオを無視しているのはなぜなのだろうと思います。もちろん、自己株式取得の結果、議決権ベースで武井氏一族の比率が25%を超えたりすると金融庁がどう反応するのか、という論点が浮上する訳ではあります。

それはそれとして、武富士に敵対的買収がかかる可能性は否定できません。こちらで取り上げているように、GSがSPCを立ち上げているであれば、むしろその可能性は高いといえます。それに、武富士経営陣がどう対応するのでしょうか。

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自社株信託による寄付

30日付日経新聞「ペイントハウス、子会社のユアサ建材工業の全株売却」から。

「ペイントハウスは29日、住宅設備子会社のユアサ建材工業(東京・港)の全株を約2億7000万円で、省エネ機器販売のダブル・アイ・テー・ジャパン(東京・千代田)に同日付で売却したと発表した。ユアサ建材向け貸付金の一部の債権放棄に伴う10億円強の特別損失と土地譲渡による1億円強の特別利益を2005年8月期の単独業績に計上する。」

ペイントハウスは過去色々とM&Aや設備投資を積極的に行っていましたが、ユアサ建材工業もその1つのようです。ところが、ペイントハウス本体の業績が今ひとつになって、創業者だった星野前社長が取締役を退任する事態となったこともあり、売却することになったのでしょう。ペイントハウスについては以前にも会計監査人の変更の件で取り上げましたが、会計監査人の変更がある会社には何かある、という事例の1つになってしまったのでしょうか。

ところで、記事には続きがあって、

「また同日付で社長から相談役に退いたペイントハウス創業者の星野初太郎氏が、保有する同社株(発行済み株式総数の70.8%)をすべて香港に本拠地を置く企業に信託したと発表した。星野氏が同社に寄付する10億円の原資をこの株式信託でねん出するという。」

だそうです。ペイントハウスのプレスリリースにはもう少し詳細が出ています。

内容を見ると、委託者が星野前社長で、受託者が Orient Trader International Limited で、受益者がペイントハウスとなっています。おそらく、有価証券処分信託で、代り金がペイントハウスに寄付されるのでしょう。有価証券処分信託は武富士の武井元会長も利用しているスキームですが、信託期間が終了するまで、信託した全株式の内、どの程度が処分できるかわからない、という難点があります。

今回のスキームでは受益者がペイントハウスですから、処分できなかった株をどのようにする契約になっているのか気になります。原株のままペイントハウスに行くのか、星野氏に返却されるのか、Orient Trader International Limited の所有になるのか。いずれにせよ、10億円のキャッシュが寄付金としてペイントハウスに入るのかどうかに注目ですね。

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Infoseekベーシックでやっていた「経営会計通信」ですが、コメントスパムにinfoseekさんのサーバーが悲鳴を上げたとの連絡がinfoseekさんから入りました。私の対処も誤ってしまい、現在まったく管理画面にアクセスできない状況ですので、緊急避難でこちらで投稿を再開したいと思います。

Infoseekベーシックのトップでの告知は別途行います。

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